1.父が唱えたフードピアコンセプト
フードピア・ジャパンの理念は、厨房機械メーカーの社⻑であった⽗の杉本圭⼀郎が、近畿厨房機器協同組合の理事を務めていたとき提唱した「フードピアコンセプト」に基づいています。
そのコンセプトとは、⼈の⽣活に不可⽋な要素を提供しながら、⼈と⼈との思いを⾼め、育てていくというものです。具体的には、⾷を通じて、働く⼈々が⽣活を安定させ、仕事のなかでさまざまな⼈と交流し、⾃分⾃⾝の⼈間性を育て、周囲にも良い影響を与えていく、そんな⼈間らしい”輪(和)”づくりを⽬標としたプロジェクトを構想していました。
⽗は、このコンセプトを⼤阪中⼼に実現させていくため、建築・内装・デザイン・設備・調理・各⾷材(無農薬、無添加)・什器設備などすべてを健康志向とし、運営する⼈の⽣活の安定を築きながら、安全な⾷事と快適空間を提供するトータルシステムを創りたいという想いを抱いていました。厨房機械メーカーの社⻑としての発想にとどまらず、「⾷の街関⻄」全体の発展につながるビジョンを描いていたのです。
このプロジェクトは、関⻄新空港開港を⽬前に控えたころ、いったん近畿厨房機器協同組合の組合員、関係者の賛同を得ましたが、その後諸事情により消滅、フードピアコンセプトは⾏き場を失う形となりましたとはいえ当時検討していた関⻄新空港内で世界中の⾷事ができる「世界レストラン構想は、現在成⽥空港で実現しており、本プロジェクトの先進性を物語るエピソードとなっています。