フードピア・ジャパンとは

1.父が唱えたフードピアコンセプト 2.祖母から学んだ「普段の食事が健康の源」 3.健康を保つ考え方を示す「健康ピラミッド」 4.今こそ日本食の見直しを 5.私たちが目指すもの

フードピア・ジャパンとは

1.父が唱えたフードピアコンセプト

 フードピア・ジャパンの理念は、厨房機械メーカーの社⻑であった⽗の杉本圭⼀郎が、近畿厨房機器協同組合の理事を務めていたとき提唱した「フードピアコンセプト」に基づいています。

 そのコンセプトとは、⼈の⽣活に不可⽋な要素を提供しながら、⼈と⼈との思いを⾼め、育てていくというものです。具体的には、⾷を通じて、働く⼈々が⽣活を安定させ、仕事のなかでさまざまな⼈と交流し、⾃分⾃⾝の⼈間性を育て、周囲にも良い影響を与えていく、そんな⼈間らしい”輪(和)”づくりを⽬標としたプロジェクトを構想していました。

 ⽗は、このコンセプトを⼤阪中⼼に実現させていくため、建築・内装・デザイン・設備・調理・各⾷材(無農薬、無添加)・什器設備などすべてを健康志向とし、運営する⼈の⽣活の安定を築きながら、安全な⾷事と快適空間を提供するトータルシステムを創りたいという想いを抱いていました。厨房機械メーカーの社⻑としての発想にとどまらず、「⾷の街関⻄」全体の発展につながるビジョンを描いていたのです。

 このプロジェクトは、関⻄新空港開港を⽬前に控えたころ、いったん近畿厨房機器協同組合の組合員、関係者の賛同を得ましたが、その後諸事情により消滅、フードピアコンセプトは⾏き場を失う形となりましたとはいえ当時検討していた関⻄新空港内で世界中の⾷事ができる「世界レストラン構想は、現在成⽥空港で実現しており、本プロジェクトの先進性を物語るエピソードとなっています。

2.祖⺟から学んだ「普段の⾷事が健康の源」

 いったん頓挫したフードピアコンセプトでしたが、⾷を通じて⼈々の健康と幸せを願う考えは、杉本圭⼀郎の息⼦である私にも深く根付いています。その根底には、幼少期共に暮らした祖⺟の影響があります。

 祖⺟は医者ではないものの漢⽅の知識があり、「薬には害があるので⾃然の物で治す」という考えの持ち主でした。⼦供のころ、怪我や病気になると、ナメクジや薬草を煎じた薬を患部に塗ったり飲んだりさせられたのですが、不思議とすぐ治ったものです。

 逆に、成⼈してから医者からもらった薬を飲んで症状が⻑引いた経験があります。熱が出ると医者は「熱冷まし」の薬を出しますが、発熱するのは体内に⼊った菌を殺すためですから、熱を冷ますとかえって回復が遅れることになるのです。本当は、「病気になったら薬で熱を冷ます」のではなく「熱で病気を治す」、そのために「ふだんから熱に耐えられる体⼒をつける」ことが、健康にとって肝要なのです。

 「医⾷同源」とよく⾔われます。その意味は、「病気を治療する」のも、「常⽇頃から栄養のある⾷事をして体⼒をつけておく」のも、同じ「健康の源」ということなのです。

3.健康を保つ考え⽅を⽰す「健康ピラミッド」

「⽣態系ピラミッド」をご存じでしょうか?いろいろなパターンで語られますがここでは、以下のようなものを言います。

生態系ピラミッド

 ⽣態系ピラミッドの頂点にいるヒトは主に下層の⾁⾷動物や草⾷動物の肉を食べ、乳を飲みます。⾁⾷動物は直下の草⾷動物や昆⾍を⾷べ、草⾷動物や昆⾍は直下の植物を⾷べ、花の蜜や⽊の樹液を飲みます。その植物は最下層の細菌やバクテリアによって分解された栄養を根から吸収し、生活しています。

 ⽣態系を辿れば、頂点にいるヒトでさえ、植物や細菌・バクテリアの恩恵に預かっていることがわかります。細菌やバクテリアに問題があれば、最終的には⼈間にも危害が及ぶのです。⼟台にあたる環境がしっかりしていないと、すべての⽣物は⽣きていけません。

 同様なものに「健康ピラミッド」があります。これは健康的に暮らすために必要なものをピラミッドに⾒⽴てたものです。

健康ピラミッド

 ⾯⽩いのは、健康に必要なものとして真ん中の「栄養」は当然として、⼀番⼤切な⼟台が「考え⽅」であり、「栄養」、「考え⽅」以外はすべて「その他」となっていることです。つまり「栄養」と「考え⽅」以外は、さほど重要ではないのです。

 私の兄は、有機野菜を販売しながら病気や健康について研究し、健康を維持するために必要なものを図⽰(下記)しましたが、偶然にも、⼀番⼤切な⼟台は、やはり「考え⽅」でした。

兄が考えていた「健康ピラミッド」

 健康を維持するために語られることの多い「健康法や療法、医療(薬・⼿術など)」は、健康ピラミッドでは「その他」にあたります。それは⽣活の乱れから病気になったり、体調が悪くなったときの最終⼿段です。にもかかわらず、世の中で健康についてよく語られるのは、なぜか⼀番表層的な「健康法・療法・医療」なのです。

 本当に⼤切なことは、健康ピラミッドの「考え⽅」にあたる「感じ方、受け止め方、⼼の在り方、心がまえ」であり、その上層の「所作、動き、躾、⽣活習慣、ルーチン」であり、さらに上層の「何を⾷べないか、しないか、使わないか」「何を⾷べるか、するか、使うか」です。

 マスコミが紹介する「〇〇健康法」や「△△療法」にいきなり⾶びついていませんか?果たして、それで本当に健康を維持できるのでしょうか︖マスコミに振り回された挙句、本当の健康を取り戻すことができなくなっていませんか?⾃分⾃⾝の健康を維持するためには、どのような⽣活をするのか、自分の身体の声に耳を傾け、自ら頭を使って考え⾏動することが最も肝腎です。

4.今こそ日本食の見直しを

 ⽇本では、昔から「健康には腹⼋分⽬とお茶⼀杯」と⾔われます。カロリーを抑えた⾷事が健康維持には最適です。時代とともに⾷⽣活が変化し洋⾷などカロリーの⾼い⾷事をするようになった上、野菜から摂るビタミン・ミネラルが激減し、普通の暮らしの中で健康を維持することが難しくなっています。

 そのため、健康ピラミッドの最も表層的な部分「健康法・療法・医療」に目が奪われがちです。⽇本⾷には、健康を維持するための古来の考え⽅が反映されたものが、数多くあります。今の時代こそ、昔からある⽇本⾷の良さを⾒直すべきです。

5.私たちが目指すもの

 フードピア・ジャパンは、健康⾷品メーカーでもなければ、健康アドバイザーでもありません。本当に健康的な暮らしをするため、ふだんの「⾷」を⾒直し、その考えを広めていく、そして⾷や健康について同様の考えを持つ⼈々が⾏っている事業を、私たちの専⾨知識で⽀援し、共同で商品開発する、そんな活動をしています。

 たとえば、(公財)三⽥市シルバー⼈材センター⽵炭研究会が伐採する放置⽵林から製造した健康に良い⽵炭を活用し病院⾷としてクッキーやゼリーを試作するほか、厨房機器のフライヤーで健康によい揚げ物を作るためその成分を調査するなど、幅広い分野で活発な動きをしています。

 当社が⽬指すのは、⾷を通じて本当に健康的な暮らし(フードピア:⾷の理想郷)を取り戻すことですが、そのための事業をすべて私たちだけで⾏うことは不可能です。すでにそうした活動を⾏っている事業者をいろいろな形で⽀援し、問題解決に協⼒していくことが、目標実現のもっとも近道であると考えています。

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